ドリップコーヒーの味はお水によって激変?アイスコーヒーや水出しコーヒーについてもレクチャー
ドリップコーヒーを淹れるとき、どのようなお水を使っていますか?水道水やミネラルウォーター、浄水器を通したお水、ウォーターサーバーのお水など様々な選択肢があります。
実はコーヒーは、お水の種類によって味や香りが大きく変化します。
そこで、この記事ではおいしいコーヒーを淹れるための方法やポイント、水道水でコーヒーを淹れるときの注意点についてご紹介します。「水道水で淹れるとコーヒーがおいしくない…」とお悩みなら、今回の記事を参考にしながら挑戦してみてください。
お水によってコーヒーの味は変化する
コーヒーを淹れるときに使うお水の種類によって、どのように味が変化するのでしょうか。3つのポイントごとに紹介します。
硬度による味の違い
お水の味は「硬度」により変わり、硬度はコーヒーの味にも影響を及ぼします。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が60mg/L未満を軟水、60~120mg/L未満を中程度の軟水、120~180mg/L未満を硬水、180mg/L以上を非常な硬水と定義されています。
硬度とはお水1L中に溶けているカルシウムとマグネシウムの含有量を表したもので、コーヒーに使うとそれぞれ次のような味の変化が生まれると言われています。
・軟水:まろやかで甘味と酸味が目立ちやすくなる、コクと香りが強く感じられる
・中程度の軟水:酸味と苦味のバランスが良くなる
・硬水:酸味よりも苦みが強く感じられる、エスプレッソに適している
・超硬水:硬めの舌触りになり酸味が感じられにくくなる、見た目が濁ることがある
以上のように硬度が低いほど酸味やコクが強く、硬度が高くなるほどに苦みが強く感じられるようになります。最もバランスが良くクセがないのは中硬水でしょう。
pHによる影響
硬度とともにコーヒーの味を変化させるのが「pH」です。pHとはアルカリ性・中性・酸性を決める数値で、水の中の水素イオンの量によって0〜14の数値で表されます。
・0~6:酸性
・7:中性
・8~14:アルカリ性
焙煎したコーヒーにもpHが存在し、深煎りで約5.6の弱酸性、中煎りで5.0前後の酸性となります。そのためコーヒーを淹れる場合、酸性の強いお水の方が酸味が出やすくバランスの良いコーヒーとなるはずです。
お水の温度もコーヒーの味を左右する
実はお水のpHや硬度だけでなく、温度もコーヒーの味を左右する要因となります。コーヒーの味はクロロゲン酸・カフェイン・トリゴネリンと呼ばれる成分により変わりますが、酸味や苦みの成分はお水の温度が高いほど抽出されやすいためです。
しかし、成分が抽出されるほどおいしいコーヒーとなるわけではありません。抽出されすぎると酸味や苦味が前面に出てしまい、バランスの悪い味になってしまうこともあります。雑味が抽出されることもあるでしょう。一般的には85~90℃のお湯を使うと、味のバランスが取れたコーヒーになると言われています。
水道水でコーヒーを淹れてもいいの?
水道水でコーヒーを淹れても構いません。日本のお水はほとんどが軟水であり、コーヒーに適したお水であるためです。しかし水道水には「カルキ」が含まれていて、雑味が感じられることも少なくありません。
雑味のないスッキリとした味わいのコーヒーを飲みたいなら、ウォーターサーバーがおすすめです。水道水より雑味のないコーヒーを淹れることができます。
水道水でコーヒーを淹れるとまずいと言われる原因
水道水でコーヒーを淹れるとまずいと言われることがありますが、それには3つの原因があります。なぜまずくなってしまうのか、それぞれの原因について見ていきましょう。
鉄分
水道水を沸かしている最中に、調理器具の鉄分がお水に混じってしまうことがあります。すると鉄分の影響でコーヒーの味が変わってしまいます。
金属製のやかんや鍋などでお湯を沸かすことが、コーヒーの味をまずくさせていることもあるでしょう。
カルキ
水道水に含まれるカルキのニオイも、コーヒーの味わいを邪魔する大きな原因となります。カルキとは残留塩素のことで、プールで感じるようなツンとしたニオイを発するものです。
コーヒーは味だけでなく香りでも楽しむもの。カルキ臭の影響で、水道水で淹れたコーヒーがまずいと感じられてしまうことは少なくありません。
微生物
微生物の影響により味や香りが邪魔されやすくなることも原因のひとつです。河川やダムには藍藻類・放線菌などのニオイを発する微生物が住み着いており、水道水になる時点での浄水でもニオイを完全には取り除けません。
地下水が供給されている地域であれば大丈夫でしょう。しかし水源によってはニオイが強く、コーヒーの香りが邪魔されてしまいます。
水道水でコーヒーを淹れる際の注意点
水道水にはコーヒーをまずいと感じさせる原因が潜んでいますが、やはり水道水を使って淹れたいと考える方もいることでしょう。そこで水道水でコーヒーを淹れる際の注意点について3つご紹介します。
朝一番のお水は使用しない
まずひとつめの注意点として、朝一番のお水は使用しないようにすることが大切です。夜の間排出されていなかった水道水の中では塩素が少なくなっていて安全ではない可能性があります。
残留塩素がコーヒーの香りを邪魔しているなら、少ないほうが良いと思われるかもしれません。しかし塩素はお水を消毒するためのものなので、お水自体の安全性が低い状態です。ある程度、水を流して「捨て水」をした後でコーヒーを淹れたほうが安心でしょう。
新鮮なお水を使用する
ひとつ前の項目にも通ずることですが、水道水でコーヒーを淹れるなら、新鮮なお水を使用することが重要です。たとえば一度沸かしたお水を再度沸かして使うのは安全ではありません。
また築年数の経った住宅であれば、水道管の内部がサビていて、水道水の中にサビが混じっていることも考えられるでしょう。その場合は浄水器を使うなど、新鮮なお水になるよう何らかの工夫を施してください。
煮沸する
お水を安全に使う方法としておすすめなのが「煮沸」です。煮沸をするとお水の中に含まれる有害物質が少なくなり、カルキ臭も感じられなくなるためコーヒーに適したお水となります。
ただし煮沸は短時間だけにすると、反対に有害物質が増えてしまうこともあるため注意してください。目安となるのは、完全に沸騰してから10~30分程度沸かし続けること。そして煮沸したお湯を冷蔵庫で冷やすと、カルキ独特のニオイも少なくなり、コーヒーがおいしくなるでしょう。
ウォーターサーバーのお水はコーヒーの風味を損なわない
水道水でコーヒーを淹れることはできます。しかしウォーターサーバーのお水を使うと有害物質やカルキのニオイなどを気にすることなく、風味豊かなコーヒーを楽しめるようになるでしょう。
またお水自体がおいしいことに加え次のようなメリットがあるため、コーヒーに最適なお水であると言えます。
- ・水出しコーヒーにも使える
- ・お湯の温度が80~90℃であるためコーヒーに適している
- ・煮沸をしたり浄水器を用意したりする手間がない
- ・定期的に配達してくれるためお水を買いに行く必要がない
ニオイや危険性のないお水であるため、水出しコーヒーにも使え、さらに「お湯」のレバーを操作すると、コーヒーに適した温度のお湯がすぐに出てきます。浄水器を用意したり、煮沸したり、お水を買いに行ったりする手間もなく、手軽においしいコーヒーを楽しめる方法です。
お水以外にも知っておきたい!コーヒーの味を変化させる要素
コーヒーの味を変化させる要素はお水だけではありません。その他の要素も知っておき、お家で最高においしいコーヒーを味わいましょう。
コーヒー豆の種類
コーヒーの味は豆の種類によって大きく変わります。一般的にはアラビカ種が芳醇な味わいで、カネフォラ種は苦みとコクが強い豆です。好みに応じて2種類の豆をブレンドしたり、合う豆を探したりしてみてください。
コーヒー豆の鮮度・分量
コーヒー豆の鮮度や分量も味を変化させる要因のひとつです。まずコーヒー豆を買ったら、密閉できる保存容器に淹れて冷暗所に保存して劣化を防ぎましょう。適切な分量はお湯180mlに対して10gが目安です。
抽出器具の温度
盲点となりがちなのが抽出器具の温度です。コーヒーを淹れるときはドリッパー、サーバー、カップのすべてをあらかじめ温めておいてください。温めることでコーヒーの成分を効率よく抽出でき、雑味が抑えられます。
コーヒーをおいしく淹れるポイント
ここからは実際にドリップコーヒーをおいしく淹れる方法とポイントを解説します。
ドリップコーヒー
ホットコーヒーの淹れ方で初心者の方にもおすすめなのが、ペーパーフィルターを使った淹れ方です。
【道具】
・ペーパーフィルター
・ドリッパー
・コーヒーサーバー
・ドリップポット(注ぎ口が細いタイプ)
・メジャースプーンもしくははかり
・カップアンドソーサー
【必要なコーヒーの分量】
1杯分:10~12g
2杯分:約20g
3杯分:25~30g
【ホットコーヒーの淹れ方】
1.ドリッパー・コーヒーサーバー・ドリップポット・カップアンドソーサーなどの道具をあらかじめ温めておく(あらかじめ温めておくことで、お湯の適温を長くキープできるため)
2.お湯を沸かす(ウォーターサーバーがあれば、省略できます)
3.ペーパーフィルターをドリッパーにセットする(ペーパーフィルターののりしろ部分をあらかじめ折ってからセットすることでドリッパーに隙間なくセットできる)
4.3のペーパーフィルターにコーヒーの粉を入れ、粉の表面を平らにならす
5.お湯をドリップポットに入れる
6.5のドリップポットを使って、コーヒーサーバーにセットした4の粉全体に行き渡るくらいの少量のお湯(20cc)を注ぎ、そのまま20秒蒸らす
7.中心から「の」の字を書くように3回(80㏄→40cc→20cc)に分けてお湯を注ぐ
8.熱いうちにカップアンドソーサーに注げば、完成
コーヒー1杯分の粉に対して160㏄のお湯を使って淹れると、約140ccのコーヒーができ上がります。
アイスコーヒー
アイスコーヒーを作る場合も、ホットコーヒーと基本的な流れは同じです。コーヒー豆とお湯の量のバランスが変わり、濃いめに淹れたコーヒーを氷によって急冷して作ります。
アイスコーヒーを淹れるときのコーヒー1杯分の目安の分量は次の通りです。
コーヒー豆:12~15g
お湯の量:140㏄
【アイスコーヒーの淹れ方】
1.ホットコーヒーの淹れ方と同様にコーヒーを抽出する
2.ふちまで氷を入れたグラスにコーヒーを注ぐ
アイスコーヒーを作る時は氷によって味が薄くなってしまいがちなので、濃い味になるよう深煎りのコーヒー豆がおすすめです。市販品の中にはアイスコーヒー専用の豆もありますので、うまくアイスコーヒーが淹れられないのであれば試しに使ってみましょう。
水出しコーヒー
水出しコーヒーはホットコーヒーやアイスコーヒーとは違い、お湯を使わずに水でゆっくりと抽出する淹れ方です。でき上がるまでに時間はかかりますが、低温抽出ならではのまろやかな味わいを楽しむことができます。
水出しコーヒー専用のストレーナー付きポットを用意すると簡単です。お試しで作ってみたい場合は、密閉できる広口の容器とティーバッグでも代用できます。コーヒーの粉50gに対して、お水は600〜650mlがおすすめです。
【水出しコーヒーの淹れ方】
1.ストレーナーもしくはティーバッグにコーヒーの粉を入れる
2.ストレーナーやティーバッグをセットし、お水を少しずつ注ぐ
3.ストレーナー付きポットで作る場合は、スプーンなどで粉を2、3回かき混ぜる
4.冷蔵庫の中に入れて4〜8時間で抽出完了
夜寝る前に水出しコーヒーを作っておくと、朝には抽出された水出しコーヒーを飲むことができます。水出しコーヒーを入れている容器はきちんと密閉しないと、コーヒーの風味が飛んだり冷蔵庫の中の匂いが付いてしまったりするので注意しましょう。
おいしいコーヒーを自宅で楽しもう
お水によるコーヒーの味の変化や水道水を使うときの注意点などについてご紹介しました。
ちょっとしたことで味に変化が出るコーヒー。今回ご紹介した注意点や淹れ方のコツを踏まえながら、自分好みの淹れ方を探してみるのも楽しいですね。
もし「水道水で淹れるよりもっとおいしいコーヒーが飲みたい!」と思われるなら、コスモウォーターをお試しください。
世界最高賞を受賞※したコスモウォーターの天然水で淹れるコーヒーは格別の味わいに。やさしい軟水はコーヒーそのままの特徴が出て、マイルドな味わいになります。
水出しコーヒーを作る際も、おいしいお水で作れますので、特別な一杯になります。 ぜひ、コスモウォーターを使って、おいしいコーヒーを淹れてみてください。